8月18日(金)札幌市役所会議室にて、札幌市内の4民商(北部、中部、西、東部)婦人部は札幌市男女共同参画課と所得税56条について懇談しました。
北部民商婦人部からも、4人が参加し、札幌市からは男女共同参画課から課長と係長が参加しました。
この懇談は、数年振りに企画され、あたらめて所得税法第56条の概要、問題点を説明し、会内から出されている切実な実態を伝え、なぜ民商婦人部が反対している意味を説明しました。
市男女共同参画課長は、「今日初めて、所得税56条法を知りました。課として何ができるか考えていきます」、また「他の部署にも、懇談を申し入れたら、どうでしょうか?」「人権の問題ですから、弁護士会との懇談も良いかもしれませんよ?」という提案もあり、有意義な懇談となりました。
※所得税法第56条とは
「事業主と生計を一にする配偶者とその親族が事業に従事していても、対価の支払いは必要経費に算入しない」と定め、事業主の家族(妻、子ども、親族など)が従業員として働いている場合は、どんなに長時間働いたとしても、その給料は税法上の「必要経費」に含まれません。
配偶者の事業専従者控除額86万円、その他親族の同控除額50万円を除いて、すべて事業主の所得に合算されてしまい、従業員としての給料は認められないのです。
これは、戦前の家父長制度の下で、配偶者や家族の人格、労働を認めていなかったことの名残であり、日本国憲法が保障する法の下の平等(14条)や両性の平等(24条)また財産権(29条)などに違反しています。
日本と違って、外国では「家族従業員であるかどうかを問わず、正当な給与は事業経費として控除を認める」(アメリカ)など、多くの国で「家族従業者は従業員と同じ」と扱われています。時代遅れの所得税法56条は不合理であり、一日も早く廃止すべきです。
いま全国で廃止を求める運動が広がっています。全国の民商婦人部が署名を展開し、全国女性税理士連盟をはじめ、各地の自治体も廃止を求める意見書を上げています。