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民商からのお知らせ

確定申告の方法、手順

2021年02月12日

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1 .損益計算 確定申告で行う2つの計算

1)確定申告の流れは各「所得」を計算し、「税額」を計算する

「所得」計算の種類と、流れ

基本は「事業所得」「不動産所得」を損益計算書で計算
収入(売上) - 必要経費 = 所得
ほかに「給与所得」「一時所得」「雑所得」を申告書で計算

  • 保険満期などは一時所得…満期になって降りてきた保険、預金については一定の控除額がある
    (入ってきた金額 − 積み立てた金額)− 特別控除50万 ÷ 2
    ※例えば年間3本あった場合は3本の合計で計算します
  • 公的年金は雑所得
    控除について、65歳以上は110万から
    65歳未満は60万から控除があります。控除額は金額によって変わる。
    ※年金(雑)所得、給与所得等がある場合は「源泉徴収票」が必要になる。
    原本添付が原則になります。無い場合は後日、税務署からお尋ねの連絡がくる。
  • まれに「譲渡所得」「配当所得」も

税額を算出

各所得を合計し、各控除を引き、「課税所得金額」を決め、税率を掛けて税額を算出する。

2)「事業所得の計算」の基本的なこと … 損益計算の注意点

科目(グループ)ごとに集計

科目(グループ)ごとに集計する。

集計期間

集計期間は1月1日から12月31日の1年間

売上、仕入・外注などは「請求書」の日付で集計する…発生主義

【例】

R02年1月15日にR01年12月分の工事代金が銀行へ30万入金があった。
さて、 R01年分、R02年分どちらの売上か?
→ 正解は R1年分…発生主義

売上(収入) 「必ず発生主義で」

売上は入金時ではなく、請求が発生した時点で集計する。(請求書発行日)
売上は、手数料や、材料など相殺される前、差し引かれる前の請求金額で集計する。
※差し引かれたものは、経費で計上する。
自家消費も忘れない。飲食店では「まかない」分についても売上を計上する。
保険入金、固定資産売却益など、雑収入も忘れずに計上する。

ここに注意
ペイペイやクレジット、プリカで購入した場合、「還元金」は雑収入となります。
持続化給付金・家賃支援給付金、北海道・札幌市などの支援金も「雑収入」。

経費

自分ルールをつくって自分がわかり易い集計でもOK。
気を付けるのは、消費税課税対象、(軽)8%か10%か
領収書やレシートが発行されない場合は「メモ」でもOK…具体的なもの。
※もれなく計上を→ 「商売上必要」なものは経費

ここに注意
複数税率の関係で、クレジットを切った場合、「明細書」の保存が必要になります。
毎月発行される請求書ではダメ!…内容(税率)がわからないから

3)按分計算について

按分が必要な科目

按分が必要な科目 = 事業と生活の部分で「共有」しているもの

例えば

自宅兼事務所の場合 → 水光熱費、家賃(賃貸の場合)、電話代など
車輌1台しかない時 → ガソリン代、車検代、自動車税、減価償却費など
その他自動車任意保険、NHK、新聞代、など

按分の「目安」

按分に「目安」はない! 決めるのは本人、自分が自信を持って主張できる割合を。
実態での計算を → 「使用頻度」と「面積割合」

3.減価償却

減価償却とは … 字のごとく「価値」を「減らす」「償却」です

1)減価償却の対象及び条件

・経営上必要とする資産で「耐用年数が1年以上」であり、かつ取得価格が10万円以上の資産

・10万円以上20万円未満の資産は3年(36回)の均等償却も選択できます。
※3年後の均等償却後の残存価格はゼロ円

・「建物」「付属設備・構築物」「器具・備品」「工具」「車輌運搬具」「機械・置装」

2)計算方法

計算方法は「定額法」と「定率法」がある → 個人の場合、基本は「定額法」

定額法 … 決まった「額を」計算し、差し引いていく(償却額は毎年同じ)
定率法 … 決まった「率で」計算し、差し引いていく(償却額は年々減る)

3)計算の流れ

(1)計算する内容と流れ

・「年間償却額の計算」 → 「残存価格の計算」「当期償却額の計算」

①購入金額 × ②償却率 ÷ ③使用期間 ÷ 12ヶ月 = ④償却金額
→ ①購入金額 − ④償却金額 = ⑤未償却残高
→ ④償却金額 × ⑥按分割合 = ⑦按分後の金額

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(2)内容

①購入金額

購入時のその資産、「そのものの価格」
※車輌の場合、税金・保険料は除いた後の金額

②償却率

新たに購入する資産の「項目」によって償却年数が既に決められていて、同時に年数によって償却率も決められています。
※中古購入の場合、既存の償却年数より短い期間となります(一応計算式有)

③使用期間

1年間の中で、事業に要した期間、月数

④年間償却額

その資産の1年間の償却額

⑤残存価格

その年度末時点での、その資産の資産価値額

⑥事業割合

事業に要した割合(按分率)

⑦当期償却額

その資産の償却額の中で、経費として計上できる金額

(3)計算の例

例1)中古(H25)のハイエース(180万)を5月3日に購入した。(3年、事業割合90%)
①1,800,000円 × 0.334 × 8回 ÷ 12 = 400,800円(年間償却額)
②1,800,000円 - 400,800円 = 1,399,200円(残存価格)
③400,800円 × 0.9 = 360,720円(当期償却額 R02年分の経費計上額)

例2)ハイエース次年度以降の計算
①1,800,000円 × 0.334 × 12 ÷ 12 = 601,200円(R02年分の償却額)
②1,399,200円 - 601,200円 = 798,000円(R02年度残存価格)
③601,200円 × 0.9 = 541,080円(R03年度経費計上額)

※798,000円 − 601,200円 = 196,800円 (R04年度の残存価格)
※1,800,000円× 0334 × 4回 ÷ 12 ≒ 196,799円(R05年分の償却額)
※196,800円 - 196,799円 = 1円 (R05年度残存価格)

 

【北部民主内で開催された支部主催税金学習会の説明の一部】