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民商からのお知らせ

衆議院北海道第2区補欠選挙候補への公開質問状について

2021年04月12日

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4月13日告示、4月25日投開票が行われる、衆議院北海道第2区補欠選挙にあたり、この度、野党統一予定候補となられた松木けんこう氏に対し、以下の公開質問状を送り、回答が寄せられましたので、公開いたします。

1.中小企業・小規模事業者の役割と現状について

日本の事業所の99.7%が中小企業であり、その中で従業員5人以下の小規模事業者は86%を占めています。従いまして、中小企業・小規模事業者に雇用される労働者は、日本国内の労働者に対して70%を占め、政府は、中小企業基本法とは別の小規模企業振興基本法を制定し、持続的発展を基本理念に位置付けています。

しかし、現在、菅首相は成長戦略会議の中で、デービット・アトキンソン氏が提唱する中小企業淘汰論を賛辞しています。地域経済の中で、中小企業・小規模事業者は地域内での雇用確保や、経済循環の大きな役割を担おり、政治的に支援はされても、淘汰されるべきものではないと考えますが、お考えをお聞かせください。

 

回答:ここ北区東区では多くの中小企業でたくさんの方々が働いています。菅首相のブレーンであるデービット・アトキンソン氏は「中小企業が日本経済停滞の原因で日本経済の浮揚にはその淘汰が不可欠だ」と主張していますが、この考えは誤りです。日本経済の活力は長年にわたる中小企業の努力と創意工夫の結集です。コロナの影響を被った企業を徹底して守り、中小企業の持つ個性や可能性を伸ばして2区の皆さんの仕事と暮らしを守ります。

 

2.消費税について

1989年4月1日から導入された消費税ですが、この税制は制度上欠陥があり不平等な税制となり、税の原則に反するものとなっています。

一つは、税の3原則すべてに反しています。公平性について現在10%(食料品は軽減8%)となっていますが、応能負担の原則から見ると、税の負担割合は逆進性が強く、所得が低いほど負担割合が高くなり、格差を拡大させるもので公平とは言えません。

二つは、間接税と言う制度上の欠陥があり、納税義務者は事業主となっています。この事で、力のある事業主は100%転嫁できても、力の弱い事業主になるほど転嫁できる割合は低くなり、消費税を転嫁できず身銭を切って納めている実態があります。

三つは、消費税は消費にかかる税ではなく、付加価値に対して課せられる付加価値税の性質が強く、計算上は付加価値と言われる人件費に対して課せられてしまう実態があり、雇用形態の崩壊を牽引しています。直接雇用ではなく、外注化やフリーランス契約などが進み、不安定な労働が広がることで地域の所得水準を下げています。

コロナ禍で、世界56の国と地域ではすでに消費税(付加価値税)の引き下げを行っています。日本における経済対策として、期間限定でも消費税の減税は不可欠と考えますが、お考えをお聞かせください。

 

回答:コロナ禍のもとで貧困世帯が増加し、高所得層との二極化が進んでいます。私は消費税をはじめ、所得税、法人税など税制全体の抜本的な見直しを通じて税の所得再配分機能を強化すべきだと訴えています。消費税への複数税率導入に伴って23年10月から導入されるインボイス制度は登録申請や経理事務負担を増やし、登録が認められない小規模事業者は取引から排除される危惧がありますから廃止すべきです。消費税の逆進性緩和は給付付き税額控除によるべきと考えます。

 

3.新型コロナウイルス感染症にたいする経済対策について

昨年から新型コロナウイルス感染症の影響で、中小企業・小規模事業者の経営に大きな影響が広がっています。北海道・札幌市は、観光インバウンドを経済施策の軸に据えているため影響は甚大です。政府が対策として打ち出した持続化給付金や家賃支援給付金、雇用調整金等の拡大などの直接補償は大きな支援策となりました。しかし、同時に「経済を止めてはいけない」と打ち出したGOTOトラベルやGOTOイートは、巨額の税金が投入されたにも関わらず、間接的な補償となり隅々まで渡り切らず、また感染拡大に拍車を掛けることになりました。

感染拡大防止と経済を守るためには、自粛と補償をセットにした事業者への直接補償を充実させることが必要と考えますが、お考えをお聞かせください。

 

回答:徹底したPCR検査を行わない、科学的知見より根拠なき楽観主義を優先するなど、菅政権の失策と無策は諸外国と比べて明白です。第3波、4波は政府による人災と言っても過言ではありません。その結果、人口当たりの死者数はアジア最悪レベルです。日中台韓では日本だけがGDPを大きく下げて、一人負けの様相です。菅政権は楽観主義に流されてGOTOトラベルやGOTOイートに代表される経済対策に重点を置いたため感染抑え込みに失敗し、感染拡大が長期化深刻化しました。その結果、経済へのダメージも長く大きくしてしまいました。経済を立て直すためにはまず感染抑え込みに重点を置く、そうすれば感染者も死者も減り、経済へのダメージも最小限に抑えることができる。逆ではどちらの成果も得られない。こんな簡単な道理がなぜわからないのでしょうか。私はコロナ禍での雇用や暮らしを守るため、雇用調整助成金の特例措置の延長、休業支援金の拡充、失業手当の拡充、休業要請や営業時間短縮に応じた場合の経済支援の拡充、持続化給付金の再給付に取り組みます。

趣旨説明

公開質問状

松木けんこう氏よりの回答